ハードディスクの診断について結論からずばり言いますと、現状では、ある程度の参考になるかも知れないが、100パーセントの信頼に足る診断の手立ては、この後述べるようにないといってよいようです。
ある日突然データを失うことを防ぐためには、ハードディスクの使用に当たっては必ず定期的にバックアップをとるという愚直な対策を行うしかないようです。
現在ではほとんどのHDDに搭載されている、ハードディスクの自己診断機能ともいえるS.M.A.R.T.という機能がありますが、ハードディスクメーカーごとに仕様が異なっており、ウィンドウズでもS.M.A.R.T.を引用するサービスなどは行っていません。
そこでS.M.A.R.T情報を利用した、「ハードディスク(HDD)の健康状態を監視し、故障の発生を予測するソフトウェア」などと称した無料、有料の診断ソフトなどがかなりたくさん出回っています。
中には、S.M.A.R.T.情報を基にして、ハードディスクの故障予想日をズバリ予想するというものすらあります。
しかし、2007年にGoogleが自社サーバーの民生用(ATA,SATA)10万台のハードディスクで行った追跡調査の結果によると、故障したハードディスクの大半は、S.M.A.R.T.情報から得られる故障予測日数等とははほとんど関係なしにダウンしているという、ショッキングな報告が行われています。
また、この調査では、大半がS.M.A.R.T.情報に関係なくダウンしているが、「Scan Error」などいくつかの値に注目すると、S.M.A.R.T.情報の中には、ハードディスクの寿命と有意な関連性が認められるものもあるという報告もなされています。
つまり、S.M.A.R.T.情報の警告は黄信号、赤信号として注意喚起の意味はあるが、逆に、S.M.A.R.T.情報がOKであるからといって、そのハードディスクが故障しないことの補償には全くならないということになります。
Googleでは、同じファイルを必ず3つ持つという態勢なのだそうですが、このレポートにより、改めてバックアップの大切さが再認識させられた思いです。
*S.M.A.R.T.情報とはハードディスクの健康状態をハードディスク自身が発行する各種の情報である。
現在までに発生した各種エラーの発生頻度や全てのエラー発生時のなかで最も状態が悪かったときのワースト記録などがハードディスク本体に記憶されている。
各種エラー以外では、温度と過去最も高かったときの温度、積算使用時間、スタートストップ回数、不良セクタやペンディングセクタ、アンコレクトセクタの使用状況、スピンドルモーターや軸受けの劣化を補填するための増加トルクの値などを把握でき、さらに各種情報でこの数値までは問題ないが、ここからは危険だというようなしきい値も読み出せる。