■ハードディスクはなぜ故障するのか。
稼働中のハードディスク内のプラッター(円盤状の磁気面)表面と磁気ヘッドの間の隙間は、その状態を1万倍に拡大すると、ジャンボジェット機が新聞紙の厚さ2~3枚分の高度で滑走路を端から端まで飛んでも一度も地面にぶつからないという程の精度であるという例え話を聞いたことがあるでしょうか。
その磁気ヘッドは非稼動時にはプラッター表面に「着地」しており、ナノレベルの隙間はプラッターの回転による風圧で保たれるというのであるから、驚きです。
しかも、その隙間のサイズはタバコの煙の粒子よりもはるかに小さいものだと聞けば、ハードディスクというのは、いかに精巧でデリケートなものであり、振動、熱、埃(タバコの煙の粒子までが悪影響を与える)が大敵であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
締付け不良等によるわずかな振動、熱による極わずかな変形、眼に見えないような塵でも、ハードディスクのこのような極微細な世界では致命的な影響をもたらす可能性を持ちます。
ハードディスクの中では、磁気ヘッドがプラッター回転の風圧で浮いたり「着地」したりするんだという状況をイメージできれば、パソコンの電源オン・オフ等の繰り返しが、ハードディスクの寿命をすこしづづ削っているのだということも理解できると思います。
■いつかは故障することを前提に使う。
ハードディスクは、パソコンの記憶装置の中でもっとも容量が大きく、WindowsなどのOS(オペレーティング システム)はもちろんのこと、文書、数値、画像・写真、動画、メールなど、パソコンのあらゆるコンテンツの格納場所になっています。
こんなに重要な主記憶装置なのにもかかわらず、フラッシュメモリー(USBメモリースティックなどに用いられている不揮発性メモリー)等の電子メモリーと違い、上で見たように機械的な働きによってデータを読み書きするディスクドライブであるため、損耗などによる寿命を避けることはできません。
中には「ハードディスクは消耗品である」とまで言う方もおられますが、あながちメーカーの言に踊らされているとばかりはいえないような現実があります。
■突然のトラブルにあわてないように。
長くパソコンを使っている方には、1度や2度はあると思いますが、ある日突然ハードディスクのデータが読めなくなれば、悲劇です。
そのハードディスクのトラブルが1年後なのか3年後なのか5年後なのかは使い方によって異なるでしょうがを、いつかは必ずやってくることであり、大切なデータを失わないためには、バックアップをはじめとする「ハードディスク対策」をきちんと行う必要があります。
また、どのような場合にハードディスクのデータの復元が可能なのか、できるだけ多くのデータを復元したければ、ハードディスクに対して故障後に何をすればよいのか、何をしてはいけないのかなどを、いざというときのためにあらかじめ知っておく必要があると思います。